日本の名探偵ランキング(3)
日本の名探偵ランキングに関する記事の続きですが、実在する有名な探偵はいないので小説やドラマに登場する架空の名探偵について書いてみます。
7.工藤俊作
ドラマ「探偵物語」で松田優作が演じた私立探偵。
アメリカのサンフランシスコで刑事をしていたという経歴があり、日本に戻って工藤探偵事務所を開業。
ドラマや映画の探偵にはハードボイルド系のイメージがありますが、松田優作はアドリブを多用したコミカルな演技とアクションシーンで全く異なる探偵を演じたようです。
どちらかと言えば松田優作が亡くなった後で再評価を受けた作品らしく、現在では松田優作の代表作の一つに挙げられています。
工藤俊作の人物像は、
- ユーモアと自由を愛する
- 潔癖症
- 解錠が得意
- ピンクのパジャマとアイマスクで寝る
- たびたび警察に犯人と疑われる
「家庭内のトラブルは扱わない」という主義を持っており、現代でいう浮気調査などの依頼は受けなかったみたいですね。
事務所は住居兼用、所在地は本人によれば「渋谷」らしいですが、名刺では「東京都千代田区平河」、また小説版では「下北沢」となっておりはっきりしませんね。
コミカルに進行するドラマですが、最終回でシリアスになり、工藤俊作も殺された仲間の復讐を果たした後に刺されて終わります。
出演作品:「探偵物語」
8.浅見光彦
浅見光彦は作家内田康夫の推理小説に登場する素人探偵です。
通常の職業はフリーのルポライターですが、
浅見光彦の人物像は、
- 清潔且つスタイリッシュにしてフランク
- 長身かつ甘いマスクの33歳独身貴族
- 名家の次男坊
- 商社や新聞社、薬品会社に勤めたことがある
- 兄が警察庁刑事局長
- 父は財務省官僚だった
- 警察組織内に浅見光彦信者がいる
- お手伝いさんから坊ちゃまと呼ばれている
何とも羨ましい限りのスペックですが、これは従来の日本の探偵像とは一線を画しており、女性からの人気も得てレディースコミックになったりもしているようです。
私的には名探偵神津恭介の系統を受け継いだという感じがありますね。
このような浅見光彦ですが、モデルとなったのは内田康夫の担当編集者だったようです。
人気シリーズの主人公のモデルとなった編集担当者の方も光栄でしょうね。
また、名探偵コナンの登場人物には浅見光彦や内田康夫から名付けられたキャラクターがいるそうです。
出演作品:「浅見光彦シリーズ」
9.湯川学
日本の作家東野圭吾の推理小説「ガリレオシリーズ」の主人公です。
本人は嫌がっているらしいですが、ガリレオと呼ばれているのは天才の意味を込めてということでしょうね。
超常現象のような不可解な事件を天才物理学者が科学によって解決する、というのがこのシリーズの基本的ストーリーです。
昔から推理小説を書く上での暗黙の了解に「一般的ではない科学技術を用いたトリックは使わない」というものがあるらしいですが、このシリーズはそれを考慮せずに書かれたということらしいのです。
この暗黙の了解は一般的な読者が解けないものやイメージできないトリックは避けるということだと思うのですが、あえて挑戦したのは作者の東野圭吾が理系出身であることが大きいのでしょう。
湯川学の人物像は、
- 大学の物理学助教授
- バドミントンが得意
- 子供にアレルギーがある
- 頻繁にインスタントコーヒーを飲む
湯川学はドラマ・映画で俳優の福山雅治が演じたイメージが強いですが、もともとは俳優佐野史郎の若い頃をイメージして描かれたそうです。
福山雅治さんと佐野史郎さんではかなり印象が違ってきますね・・・