探偵への質問
探偵という職業の人と知り合いの人は少ないかと思います。
まず自分が探偵であると公言する探偵は多くはないかもしれません。
著者も現役の探偵なのですが、ちょっとした関係で知り合った人たちには探偵とは公言していません。
それでも探偵と知るとだいたい同じ質問をされることがあります。
そんな質問の中でも代表的なものをいくつかご紹介致します。
探偵は誰でもなれるのですか?
特に資格もなく、誰でもなれます。
よく探偵学校があり、そこで学習し卒業しないと探偵になれないかと思っている人もいますがそんなことはなく、誰でもなれます。
探偵学校を卒業していなくても探偵事務所に就職できればもう探偵です。
当然、探偵事務所のある管轄警察署にも社員登録します。
探偵になる為の資格は何もいりませんが最低でも普通自動車免許があった方が良いでしょう。
何しろ車の尾行調査や内偵する調査目的地へ車で移動なんてこともけっこうありますので最低限、ある程度の運転技術を持っていなければ探偵としては厳しいでしょう。
ただ余りにも長身であるとか余りにも太っているとか外見上、周囲から目立ってしまう特徴的な人は避けた方が賢明でしょう。
何しろ目立たないことが探偵の資格であるかもしれません。
探偵は危険な目に遭うのですか?
テレビドラマや映画からの影響からなのでしょうが探偵が襲われたり、それこそ殺されてしまうなんてシーンをよく見掛けますね。
そんなことはまず起きません。
確かに浮気調査やストーカー調査など対象者や加害者からは恨みを買うかも知れませんが探偵を脅迫したり、暴力で訴えてくるような馬鹿は殆どいません。
むしろ繁華街や風俗地域、日雇い労働者が多く住み、簡易宿泊所の多い地域での張り込みに危険というか怖さを感じる場面はあります。
繁華街や風俗地域ですとどこに暴力団事務所があるかも分かりませんので近くで張り込んでいると因縁をつけてきたり、妨害してくるような場面にも出くわします。
また暴力団ですと話をすれば分かってくれる人も多いのですがいわゆる「半グレ集団」や「ヤンキー」、違法カジノ店、違法風俗などの店舗関係者からの嫌がらせや妨害も覚悟して調査を続けなければなりません。
同様に日雇い労働者が多く住む地域でも仕事にありつけず、飲んだくれていたりする輩もあり、多少、スネに傷を持っていたりする輩も徘徊、いぶしがられて因縁をつけてくる場合もあります。
こういった張り込みにおいて通常の仕事では経験しないことであり、多少怖いという思うことはあるのも事実です。
しかし、総体的にそれほど危険と感じることは無いと思います。
探偵の仕事というと「浮気調査」が思い浮かぶのですが、本当に浮気調査って多いのですか?
浮気調査が一番多いといって過言では無いです。
確かに人探し、家出調査等の所在調査、社員や元社員、子供などを対象とした素行調査・行動調査、結婚や採用の歳の身元調査・身辺調査などさまざまな探偵業務がありますが浮気調査の相談、依頼が一番多くあります。
特に近年では妻の浮気調査を依頼するご亭主が増加してきており、現状、半々の割合です。
それだけ女性の貞操観念という言葉が死語になりつつあるのでしょう。
浮気調査では浮気の事実は捉えられるのですか?
まず配偶者や婚約者に浮気をしているのでは?という疑惑を感じて探偵に浮気調査の依頼をしてくるのです。
浮気の疑惑のない人が探偵に浮気調査の依頼することは殆どないからです。
なにかしら浮気をしていると確信の持てる情報や相手の言動から疑惑が生じ、確実な浮気の証拠を押さえる為に探偵に浮気調査を依頼するのです。
結果、写真や映像にて浮気の証拠を捉え、分単位の行動の詳細を記述した調査報告書に添付して提供しています。
探偵や興信所って儲かるの?
正直、余り儲かることはないでしょう。
一部の探偵事務所では暴利をむさぼっているところもあるみたいですが、通常の探偵事務所や興信所はまず薄利で経営しているところばかりです。
それに事務所に所属している探偵も決して給料が良いとは言えません。
安い給料で長時間拘束され、何が楽しいのかというと、探偵という職業に真から向き合っているからでしょう。
まず広告、宣伝費に多額の投資をしなければ依頼が来ません。
ですから閉鎖する探偵事務所や興信所も多いのです。
しかし、新たな探偵事務所・興信所も出てきます。
長年、営んでいるとそれなりの顧客は増えていきますが、それなりの信頼を重ねていかなければなりません。
この様な質問が代表的と言えるでしょう。
確かに興味深い職業だとは思いますがどうしてもドラマや映画の影響も大きく、色眼鏡で見られがちで時にはアウトロー的にも見られがちです。
しかし、実際の探偵はそんなことはなく、もっと身近に感じて貰い、気軽に悩みやトラブルを打ち明けて貰えれば役立てることもあるかもしれません。
知っておいて損は無いと思いますよ。